2021年4月より、前田が神戸芸術工科大学 環境デザイン学科の客員教授に着任しました。
社会に出る前だからこその視点を持った「社会での実証実験」を、学生と共に企画し実施していければと思っています。社会実験ときくと、身構えてしまうかもしれません。設計課題を進めるプロセスも、敷地や条件に対して仮説を立て、かたちをつくりうまくいかないところを図面や模型を用いて、提案をより良くしていくという意味では、実験を繰り返しているのではないかと思います。一度社会では当たり前と思われることに疑問をもって、社会に問い直し実証実験をすることが、広義の社会への貢献になるだろうと思っています。
https://www.kobe-du.ac.jp/env/staff/
https://www.kobe-du.ac.jp/env/staff/maedashigeki.php
今は使われなくなった印刷工場をリノベーションし、「建築の力」によって地方における生活を豊かにするためのきっかけづくりを目指すawa 臨港プロジェクトのコンペで、34件の応募から最優秀作品にジオ-グラフィック・デザイン・ラボ(大阪市)、泉設計室(徳島県鳴門市)、構造計画研究所(東京・中野)の3社JV(共同企業体)による提案「おきのすインドアパーク ~全ての世代が徳島に住み続けたくなる、魅力的な余白」が選定されました。
雨の日でも子供たちを連れて過ごせ、スポーツを通した健康づくりの拠点となると同時に、ここで働きたくなる職場・県民が日々更新していく様々な活動を建築デザインがフォローしていくような環境づくりを目指していきます。
徳島県HP
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/kenchiku/5040224/
掲載記事
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00358/022200084/
周辺敷地の塩土地区集落の屋根の連なりや、高浜のシンボルである青葉山が全貌出来る屋上テラスを設けるなど、環境に呼応したデザインになっています。中に入ると生簀があり、その魚をオーダーしてさばいてもらい、施設中にある「うみから食堂」でも食べることが出来ます。「うみから食堂」には、地元の子ども連れの方もゆったり過ごせるように、畳の小上がりを設けています。また屋上には地域のシンボル「青葉山」を望みながら、バーベキューレストランができるUMIKARA TERRACEを設けました。地域の方、観光で来られる方の両方が、食を通じた体験に満足してもらえる場所づくりを考えています。
高浜の魚介の美味しさを味わえるUMIKARAのECサイトが出来ていますので、ぜひご覧ください。
https://shop.umikara.co.jp/
サインデザインはUMA / design farm の原田さん、平川さん
レストランの内装は、SMALL STANDARDの當間さん
家具製作は、ARIAの有吉さん、小池さん
構造設計は、満田構造計画研究所の満田さん、江畑さん
7月のプレオープンを控え準備が進行中です。プレオープン後には、公民館の解体跡地に芝生広場が出来てグランドオープンになります。
MiiMoは大屋根が特徴です。大屋根の下が子どもたちの遊び場になり、役場への参道になり、広場と建築が一体利用されます。また小学校から来る子どもの学童クラブへの動線と、横の図書室やテラスで本を読むことを考え、建築や屋根の「向き」を大切に設計しました。内装や家具は、床も含めていかに公共建築らしさを消して、住まいのような居心地をもつ場所に感じてもらえるかを考えて設計・選定しています。
広場と半屋外空間によって、外部と内部が境界をまたいでいるような設計としています。屋根の下の大階段は、雨の日でも子どもたちが遊べる場所をつくることと、学童に来た子どもたちが、学童から大階段を降りて直接広場に出られるようになっています。
1階は人が最も往来するエントランス付近に、MiiMoホールや、まちキッチンやMiiMo食堂を配置し、農業をしている方も、子育てをしている方も、集まってご飯を食べたい方も、居場所を見つけるきっかけづくりになればと考えています。MiiMoホールとつながっているコワーキングカフェは、壁で区切られずに、家具の配置で落ち着いて滞在できる場所を同居させています。
2階の図書フロアは、子どもたちがより本に親しめる場所に配置しています。同時に、静かに本を読みたい、自習したいという方のために、ガラス戸で区切った自習スペースや、広場を見渡せるテラスを設けています。テラスではおしゃべりしながら、自習スペースでは集中して本を読めます。
3階は、これまでの活動と、まだ想定できないこれから起こる活動を支えることができるよう、防音性能を高めたコミュニティルーム1、ミニキッチンも備えたコミュニティルーム2、子どもスカイガーデンを屋根の上に設けた子育て支援センターなどを配置しました。
広場を含めたこのエリア全体で、町民の皆さんが、使い方に工夫ができる仕掛けをたくさん残しています。行政も利用者も一体になって設計者が驚くような使い方や活動を開発・持続していただくこと、その工夫をする大人と一緒にここで育つ子どもたちが、またさらに次の世代を育てる新しい活動を生み出してくれることを楽しみにしています。
外構デザインは、素地(soji)の松下さん
サインデザインはUMA / design farm の原田さん、平川さん
カーテンなどのファブリックは、fabricscape の山本さん
照明計画は、ツキライティングオフィス の吉楽さん
構造設計は、 tmsd萬田隆構造設計事務所 の萬田さん
掲載写真撮影は、笹の倉社 の笹倉さん