敷地は一つの敷地を4分割して出来た旗竿敷地です。都市部にはよくある入り組んだ敷地ですが、敷地の外の高低差や用途地域を重ねてみれは、敷地の可能性が見えてきます。住宅地の景観や日照を確保するため、第一種高度地区の斜線制限があり、通常のハウスメーカーなどの建て方であれば、3階建てが難しい土地です。今回はクライアントからは、家族で集まって食事や作業・勉強が出来る居場所が日当たりのいい最上階にほしい、との要望をくみ取り、スキップフロアを採用して3階建てにしました。この敷地では、他の高層建築等が今後も建たないであろう土地側に素晴らしい諜報を確保できました。
都市住宅における子ども部屋の考え方はクライアントによって様々ですが、設計者としては子どもたちが巣立って独立した後のことも考えて設計します。可動の引き戸で区切り、玄関から続いたオープンな書斎スペースに変えたり、2人の子どもの部屋はつなげて1室に出来たり出来るような仕様をご提案します。
毎日食事をつくる方の目線で、そしてご要望を聞きがらキッチンの設計は毎回オーダーメイドで行います。今回はキッチンは3人の子どもたちの宿題を見ながら家事が出来る場所です。食事をつくるだけでなく、学校のプリントに記入する作業も出来るスペースとシンクを一体化しました。
時期 | 2019 |
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設計 | 前田茂樹 木村公翼 |
構造設計 | 株式会社 坪井宏嗣構造設計事務所一級建築士事務所 |
施工 | 江中工務店 |
所在地 | 東京都世田谷区 |
撮影 | 河田弘樹 |