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Public House of Kyubunhama

給分浜集会所
PUBLIC SPACE | Ishinomaki, Miyagi, Japan | 2017

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Public House of Kyubunhama

給分浜集会所
PUBLIC SPACE | Ishinomaki, Miyagi, Japan | 2017

複数の世代が自分たちの場所と思ってほしい。

仮設住宅の中にあった集会所は場所の制約上一室空間であり、誰かがいると誰かが入りづらいのでは、 と感じていたので、今回の集会所は、複数世代・複数グループでの並列した使い方、居方が出来るよ うにと考えました。廊下は設けず、集会所を中心にして、集会室2や、キッチンがあり、ロフトがあ ります。これは面積を有効に使うということもありますが、お茶っこと地域の祭りである十一面観音 菩薩例祭の準備が、一年を通して並列して行われればと考えました。また 2 階のロフトは若い方々で 飲み会を開く場所にうってつけであり、夜な夜な集まってもらえれば嬉しいです。複数の世代が、こ こを自分たちのもんだと思ってくれれば設計は上手くいったと言えます。

また他の浜の集会所のようにカーテンを閉め切っているようなものではなくて、ガラス張りで中が見 える状態を保つために、土間空間を設けて道路からの見え隠れをつくりました。例祭の時には親戚や 子供たちも里帰りして人数が増えます。半屋外の土間空間ではバーベキューをするなどして、集会所 を中心にして、祭りが近づくにつれ高台に賑わいが増していくのではと想像しています。

集会所建設の補助金は限られていました。構造計画は流通集成材の寸法をもとに外壁と屋根面積が室 内面積に比較してコンパクトになるような形状とし、方杖を設けることで木造部材断面を小さくしま した。また、坪単価が低く出来る土間や 2 階を設ける等の工夫をし、半屋外の土間空間は、冗談を言 いながら、少し塗装がはみ出したりしながら、若手漁師の方々と一緒に塗装を行いました。きっと今 後メンテナンスも彼らが自ら行えますね。黒板塗料も今回購入してきたので、また子どもたちのため に塗ってもらえればと思います。 集会所竣工を機に区長が次の世代へとバトンタッチしましたが、集会所が新区長のもと、複数世代・ 複数グループがどんどん手を加えていって頂ければ設計者冥利に尽きます。

時期 2017
設計監理 ジオ - グラフィック・デザイン・ラボ
担当(前田茂樹 / 木村公翼 / 相見良樹)
大阪工業大学建築学科前田研究室
担当(今村雄紀 / 関野咲月)
構造設計 NEO・建築構造 (担当 : 遠藤 恵)
施工 株式会社 愛建工業(本郷 敏昭 / 佐藤 勝浩)
所在地 宮城県石巻市給分浜
規模 敷地面積 299.70m2
建築面積 152.63m2
延べ床面積 164.93m2
建蔽率 50.92%
容積率 55.03%
撮影 河田弘樹
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