展示会は会期が終わったのちに、展示什器の廃材をどうするかが常に問題です。今回は日本から模型を国際輸送する際に、コンテナに積んでも丈夫な木箱を制作する必要がありました。私たちはコンテンツとなる模型などを輸送した木箱を開き、スチールの脚を現地で設置して、展示台として再利用しています。
五十嵐太郎氏の、「コミュニティを意識したデザイン」、「環境と形態」、「公と私の新しい関係」のテーマ毎にグルーピングしましたが、現地の観客からは、「かたち」の決定の根拠に言及していることがガイドラインとなり非常に興味深いとのコメントを頂いています。入口から順に観ていけば、3つのテーマに沿って日本建築の背景を踏まえて鑑賞でき、また展示台の木箱の横に建築家の漢字がピクトグラムとして記載されていることで、カタログの宣言を参照しながら同じ建築家の作品を直感的に見つけ出す順路も用意しています。
カタログには、各建築家にとって「かたちとは○○である」という、宣言のような一文と共に作品紹介を執筆してもらうことにした。この宣言は、「かたち」の定義や思想が、これほど異なるのかと感じられる素晴らしい試みで、それこそが日本の建築文化の豊潤さを示しています。
時期 | 2020-2021 |
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所在地 | ヴァル・ド・ロワール地方現代美術センター(フランス、オルレアン市) |
空間構成 | 前田茂樹 RAPHAELA SCHRACK |
プロデューサー | 遠藤秀平 |
キュレーター | 五十嵐太郎 |
企画制作管理 | 石坂美樹 |
展覧会制作管理 | 飯田真実 |
企画協力 | フランク・サラマ(パリ建築大学教授)、トーマス・ダニエル(京都大学教授) |
出展者 | 現代日本の建築シーンを牽引する建築家35名 |
後援 | 在仏日本国大使館 |
撮影 | Nicolas Brasseur |