大阪市生野区では、人口減少による小学校の統廃合に伴い廃校となる小学校を、地域の活動の拠点や災害時の避難場所として活かしながら、今後25年間、小学校の跡地利用が出来る事業者を求めプロポーザルを実施しました。同時期に、学校法人岡崎学園は、大阪市天王寺区で運営している大阪自動車整備専門学校の建替えに伴う仮校舎として利用出来る場所を探していたことをきっかけに、自動車整備専門学校仮校舎利用及び通信制高等学校・日本語学校として、25年間を引き続き「学校」用途のまま使い続けていく活用方法の提案を行いました。
学校法人岡崎学園が学校用途として活用していくことで、地域の活動や防災拠点としても、今までと変わらない使い方が続けられる跡地利用ができ、また生野区にこれまでなかった新しい学びの場を創出しています。私たちは、提案時の事業計画策定から地域や行政との関係性の構築など、設計監理だけではなく、既存のコミュニティが形成出来ている新たな地域で円滑に学校運営を行っていくためのサポート役としても関わっています。
生野区から引き渡された学校には、小学校だったころの備品や家具、掲示物が多く残存した状態で引き渡されました。私たちは、これまで培われた小学校の記憶を継承すべく、小学校で実際に使用されていた机の天板を再活用し、サインデザインを行っています。これまで旧生野南小学校で先人たちが使い、受け継がれてきた、だれもが見慣れた机が、姿を変えてこれからこの場所を使う人たちを導く手助けとなればと思います。
時期 | 2023 |
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設計 | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ(前田茂樹 稲垣達也 喜多川颯馬) / ミサワホーム近畿 | 設備 | ミサワホーム近畿 |
サイン | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ(前田茂樹 稲垣達也 喜多川颯馬) / 6D-K | 施工 | 五和建設株式会社 | 所在地 | 大阪府大阪市生野区 |
撮影 | PicnicWork |