古賀氏の作品「トリャドヴァン」は、ややもすると流れていってしまいそうな日常の些細な出来事の連続が過去と未来を繋いでいるということを思い出させます。 会場となる長江家住宅は、代々呉服卸商が営まれてきた美しい庭のある場所です。飾り過ぎない日常の空間の中で、日常の光の中で、写真を観せるように考えました。
本展のキュレーターであるパスカル・ボーズ(美術批評家 / フランス国立造形芸術センター (CNAP) 写真コレクション キュレーター)との対話から、厚手の和紙に柔らかく写真をプリントすることとし、それが巻物のように空間に浮いている展示に至りました。 和紙に印刷された質感、白熱灯の柔らかな照明、外と連続した湿度も感じる展示空間。巻物というメディアと、「トリャドヴァン」の時間の蓄積を感じる作品との相性がよく、相互に共鳴する展示となったと感じています。
時期 | 2016 |
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設計 | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ | 施工 | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ/KYOTOGRAPHIE 2016 |
所在地 | 京都府京都市 |
撮影 | Takuya Oshima/KYOTOGRAPHIE 2016/前田茂樹 |