サラのインタビューでいい写真と思うものには「時間に耐えうる質」があると述べていました。 Time Stands Still は土佐和紙に印刷され、時間も一緒に閉じ込められるように、ガラスと木枠で額装されています。重森三玲旧宅主屋部も、古さを全く感じさせず、現代と通じる空間性を持ち、さらに庭と建築、襖絵の多様性と調和がとれています。 如何に招喜庵の建築空間の持つ時間の流れのようなものを阻害せずに、サラの写真をギャラリーや美術館の様でなく、そっと展示できるかについて原寸でスタディを繰り返しました。
重森の空間は、秩序と多様性が同居しています。 襖の鴨居高さが常に同じであるという秩序の中に、空間の向きや庭との関係などの空間、襖絵の絵柄や取っ手のディテールの差異の中に、Time Stands Still の写真群の持っている秩序と、多様性の質との同質性を見出しました。空間から写真が浮き出しつつも空間の一部でもあり得るというような展示を試みました。
時期 | 2016 |
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設計 | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ |
構造設計 | |
施工 | |
所在地 | 京都府京都市 |
撮影 | Takuya Oshima / KYOTOGRAPHIE 2016/前田茂樹 |