佐那河内村の中でも、周囲にはスダチ畑と山々しか見えない格別の場所です。林業の道具小屋から住まいへ改修設計をしました。 林業という生業がゆえに非常に軒の出が大きい造りをしているなどの特徴を活かしたまま、快適に住むことが出来るように設備や断熱性能を上げました。 元の住人である林業を営んでいた方の道具小屋から、関東から引っ越してこられる夫婦の住まいへの改修です。 林業の道具を置いておくための場所であり、同時に木材の豊富な地域で且つ雨の多い風土を反映し、非常に軒の出が大きい造りをしています。軒の出は日差しを遮ってくれますので、開放的な窓が多く、その窓からの時間を超えて残った風景がこの場所の資産だと感じました。
古民家改修=寒いというイメージを覆すべく、外観は杉板鎧張りを継承しながら、目に見えない熱環境に関する快適性も大幅に向上させました。1:屋根材を金属屋根に変更し屋根通気を設け、2:サッシュはアルミサッシュへと変更、3:内壁に断熱材を充填することで、断熱性能、遮音性を向上させました。山の上の環境なので夏や中間期は通風を取ることでエネルギーを消費せず、冬は気密性を上げていることで、ランニングコストを下げています。
時期 | 2015 |
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設計 | 大阪工業大学前田研究室 |
構造設計 | 中村建築構造設計 |
施工 | 日下建築 |
所在地 | 徳島県佐那河内村 |
撮影 | 笹倉洋平 |