DPA(ドミニク・ペロー・アーキテクチュール)でコンペから実施設計を担当しました。梅田の中心には地下街が張り巡らされており、地下とビル内部を繋ぐ低層部に、外の天候の変化や自然光を感じることのできるアトリウムを設けました。 ペロー氏はアーバンランドスケープという「建築とランドスケープ」を同時並行に考える建築家です。6万㎡の建築を建てることは一つのまちをつくるに等しく、都市空間をすべて機能で埋めてしまうのではなく、ランドスケープのような余白を残して設計を行い、それが地域の快適に寄与し、同時に建築の評判や入居率へと繋がるという循環は、利己ではなく利他、地域全体を考慮した建築といえます。
アトリウムには、「フォレストウォール」という白神山地の森をデジタル・ドット状に模したガラスの壁面を設けています。フォレストウォールは、アトリウムに入る光を柔らかい光に変えながら、北と南を繋ぐ建物内貫通通路と、アトリウムを領域分けしています。 建築は人工物ではありますが、光や素材もつ揺らぎによって、自然に近づく環境を創りだす試みは、この建築の周りに多くの人が集まっていることによって示唆を与えてくれるように思います。
時期 | 2010 |
---|---|
設計 | DPA(ドミニク・ペロー・アーキテクチュール) 清水建設 |
構造設計 | 清水建設 |
施工 | 清水建設 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
撮影 | 阿野太一 |