ホスピスケアの理念に沿って、病や障害があっても最期までその人らしく暮らせる家です。 「自宅のような雰囲気で安心して人生の最期を過ごしてほしい」と話すケア・スタッフの方々と一緒に設計をしました。 車椅子で入るにはトイレが狭かったので部屋をつなげて共用部をつくり、一部屋を共用の大きめのお風呂に変更するといった点を含めて改修していきました。ホームホスピスを考える上で、入居者のカが持ってこられる物やスタッフの備品を入れる収納をどう確保するかも重要です。
「日常と連続する」ということは医療やケアとしては当たり前なのかもしれません。しかし、医療施設や介護施設のデザインは、自分が入りたくない空間ばかりのように(私には)思います。どこか管理する側の目線が強く、日常と切れてしまっている視点があるのかもしれません。日常生活の音や話し声、ご飯をつくる音や匂いを感じながら過ごす「日常と連続した」ケアの設計をしていきたいと思います。
時期 | 2015 |
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設計 | ジオ-グラフィック・デザイン・ラボ |
構造設計 | 間嶋建築設計事務所(耐震診断) |
施工 | 山本博工務店 |
所在地 | 大阪府堺市 |
撮影 | 滝元嘉浩 |